流行り病が続き、風邪薬が不足するような状況だからこそ、僕たちが本当に向き合うべきなのは「自分の身体そのものの底力」です。
その土台を支えているのが――腸。
近年、「microbiota–gut–brain axis(腸内細菌‐腸‐脳軸)」という概念が世界的に研究され、腸と脳が双方向に影響し合っていることがわかってきました。
今回は、理学療法士15年目として実績を積んできた僕が、臨床経験と自身の実測データを交えながら、腸脳相関を医学的に整理し、今日からできる実践法まで解説します。
腸脳相関とは何か?|腸と脳はどうつながっているのか
腸脳相関(ちょうのうそうかん)とは、簡単に言うと「腸と脳が、自律神経やホルモンを通じて密接にコミュニケーションをとっている仕組み」のことです。
その経路は、主に以下の4つに分類されます。
- 自律神経系: 脳から腸へ、腸から脳へ情報を伝える「迷走神経」
- 内分泌系: ストレスに反応するHPA軸(視床下部‐下垂体‐副腎系)
- 免疫系: 腸管に集まる免疫細胞からのシグナル
- 代謝産物: 腸内細菌が作る「短鎖脂肪酸」などの化学物質
つまり、腸の状態が悪ければ脳(メンタル)が不安定になり、脳がストレスを感じれば腸(お腹の調子)が乱れる。

「大事なプレゼンの前にお腹が痛くなる」のは、まさにこの腸脳相関がリアルタイムで起きている証拠なのです。
セロトニンの約90%は腸で作られる
幸せホルモンとして知られる「セロトニン」。実は、全身のセロトニンの約90%は腸で作られています。
ただし、ここで一つ注意点があります。腸で作られたセロトニンがそのまま脳に届いてハッピーになるわけではありません。
腸内環境が整うことで、
- 迷走神経を介した脳へのポジティブな刺激
- 脳内でのセロトニン合成に必要な「前駆体(材料)」の供給
- 炎症を抑えることによる脳機能の保護
といったプロセスを経て、間接的に僕たちの「心の安定」に寄与していると考えられています。。
ストレスは「物理的」に腸を壊す
逆に、脳から腸への影響も強烈です。
強いストレスを感じると、脳は「コルチゾール」というホルモンを分泌します。これが過剰になると、腸のバリア機能が低下し、いわゆる「リーキーガット(腸漏れ)」のような状態を引き起こす原因にもなります。
下痢、便秘、ガスが溜まる……。
これらの不調は、脳が発している「ストレス限界サイン」かもしれません。だからこそ、メンタルケア=腸のケアなのです。
腸は「最大級の免疫臓器」
「免疫細胞の約70%が腸に存在する」とよく言われます。
これは腸管関連リンパ組織(GALT)が全身の免疫系の大部分を担っていることを、わかりやすく表現したものです。正確な割合は研究により異なりますが、腸が最大級の免疫臓器である点は一致しています。
腸内環境が乱れると、
- 慢性炎症の持続
- 免疫バランスの偏り
が生じやすくなり、感染症リスクに関与する可能性が指摘されています。
もちろん、腸を整えればすべての感染症を防げるわけではありません。
しかし、免疫の「質」を支える土台の一つが腸であることは間違いありません。
僕自身のデータ|生活習慣で肝機能は変わる
ここで、僕自身の変化をお見せします。
かつての僕は体重70kg。脂肪肝を指摘され、肝機能数値(ALT)は「119」と、基準値を大きく上回っていました。
「このままではいけない」と決意し、腸脳相関と代謝を意識した生活へシフトしました。
- 毎日1万歩(現在263日以上連続達成)
- 朝20〜30分の散歩
- 納豆・もち麦中心の食事(食物繊維の強化)
- 筋トレ習慣
- 早寝早起き
- 浅煎りブラックコーヒー1日3〜4杯(ポリフェノールの摂取)
その結果がこちらです ↓
| 項目 | 改善前 | 改善後(3ヶ月後) |
|---|---|---|
| 体重 | 70kg | 62kg |
| AST | 46 | 25 |
| ALT | 119 | 43 |
| γ-GTP | 108 | 39 |


だすく脂肪肝は改善。特別な薬を使ったわけではありません。エビデンスに基づき、「腸が喜ぶ習慣」を淡々と積み重ねただけです。
腸を整える具体策|今日からできる5つの行動
① 発酵食品を毎日摂る(プロバイオティクス)を摂る
僕は毎朝「納豆」を食べています。菌の種類を変えるためにヨーグルトやキムチを組み合わせるのも有効です。
② 食物繊維(プレバイオティクス)で菌を育てる
腸内細菌のエサが必要です。僕は毎朝「バナナ」を摂取し、白米に「もち麦」を混ぜるように変えました。バナナに含まれる「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」や「オリゴ糖」は、プレバイオティクスとして働き、ビフィズス菌や乳酸菌を選択的に増やしてくれます。もち麦には、水溶性食物繊維(βグルカン)が豊富で、血糖値の安定にも寄与します。
③ 毎日1万歩、特に「朝」歩く
有酸素運動は腸管の動きを活発にします。さらに、朝の光を浴びることで脳内のセロトニン合成が促され、夜の睡眠の質(メラトニン)にも繋がります。
- 自律神経バランス改善
- ストレス軽減
- 腸管運動促進
に寄与します。
僕は1年間1日平均1万歩を達成し、現在も継続中です。
④ 睡眠を最優先する
睡眠不足は、腸内細菌の多様性を劇的に低下させます。「早く寝ること」は、どんな高価なサプリメントよりも効果的な腸活です。
⑤ 浅煎りコーヒーを味方につける
コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールは、善玉菌(ビフィズス菌など)を増やす助けになると言われています。



僕はブラックで1日3〜4杯を楽しんでいます。
なぜ今、腸脳相関なのか?
薬不足の時代。
医療は重要ですが、医療だけでは守りきれない部分があります。
腸を整えることは、
- 免疫の「質」を高める
- メンタルを「内側」から安定させる
- 慢性炎症を抑え、生活習慣病を防ぐ
という、自分自身の「内部資産」を磨く行為です。
すべてを魔法のように解決するわけではありません。
しかし「土台」を整えるという意味では、極めて本質的です。
まとめ|健康は人生を楽しむための土台(資産)
僕は理学療法士として15年、数多くの患者さんの身体を見てきました。
そして、自分自身の身体も劇的に変えてきました。
健康はゴールではありません。
健康は、人生を楽しむための根底にある土台(資産)です。
特別なことは不要です。
- 納豆を食べる
- もち麦を混ぜる
- 20分歩く
- 早く寝る
この小さな一歩が、腸を整え、脳を整え、あなたの人生を整えます。
流行り病や薬不足に振り回される前に、まずは今日から。
僕は今日も1万歩を積み重ねます。
あなたも、今日から「最強の資産づくり」を始めてみませんか?





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