
「健康診断で、血糖値が高めと言われた」



「結果の紙に、空腹時血糖やHbA1cの項目だけ印がついていた」
そんな経験はありませんか。



僕は理学療法士として15年、訪問リハビリなどの現場で、生活習慣と体の状態の関係を見てきました。
自分自身も健診で数値を指摘された当事者で、食事と運動を見直して、毎日の習慣づくりに取り組んできました。血糖値については、健診で指摘されたことはありません。それでも、高くなっていないか、ならないようにと、いつも気を配ってきました。
血糖値は、体重や肝臓の健康とも深くつながっています。ただ、「血糖値が高め」と言われても、何をすればいいのかは意外と教えてもらえません。
この記事では、健診で血糖値が高めと言われた30〜40代の方が
まず見直したい「食後血糖値」の整え方を、できるだけ簡単にまとめます。



今日の食事から変えられることばかりです。
「血糖値が高め」は、まだ立て直しやすい段階のサイン
健診の結果には、血糖に関する項目が主に2つあります。
- 空腹時血糖:食事をとっていない状態の血糖値
- HbA1c:過去1〜2か月ほどの血糖値の平均的な状態を反映する数値
特定健診(いわゆるメタボ健診)の基準では、空腹時血糖100mg/dL以上、またはHbA1c 5.6%以上が「保健指導の対象になる目安」とされています。さらに、空腹時血糖126mg/dL以上、またはHbA1c 6.5%以上は「医療機関の受診をすすめる目安」とされています。
| 項目 | 保健指導の対象になる目安 | 医療機関の受診をすすめる目安 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dL以上 | 126mg/dL以上 |
| HbA1c | 5.6%以上 | 6.5%以上 |
つまり、「高め」と言われた段階は、すぐに治療というより、生活習慣を見直すタイミングが来たと受け取れる状態です。
なぜ「食後」の血糖値が大事なのか
血糖値が上がり、下がる仕組み
ご飯やパンなどの炭水化物を食べると、体の中でブドウ糖に分解され、血液中に入ります。これで血糖値が上がります。
すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞に取り込ませて、血糖値を下げる役割をしています。
「インスリンの効きが悪い」状態とは
内臓脂肪や肝臓の脂肪が増える、運動不足が続く、睡眠が足りない。こうした状態が重なると、インスリンが働きにくくなることが知られています。その結果、血糖値が下がりにくくなります。
肝臓に脂肪がたまることと、血糖値の問題が一緒に指摘されやすいのは、このためです。僕自身も、数値を指摘された頃は、まさにこの条件が重なっていました。
「血糖値スパイク」に注意
食後に血糖値が急激に上がり、そのあと大きく下がるパターンは、いわゆる「血糖値スパイク」と呼ばれます。
空腹時の数値が基準内でも、食後の血糖値だけが高くなる人がいることは知られています。また、食後の血糖値が高い状態と、将来の心臓や血管の健康リスクとの関連を示した研究も報告されています。
だからこそ、空腹時の数値だけでなく、食後の血糖値の上がり方に目を向けることが大切です。
今日からできる「食後血糖値」を整える5つの習慣
1. 食べる順番を変える(野菜・おかず→ご飯)
同じ食事でも、野菜やたんぱく質を先に食べ、炭水化物を後にすると、食後血糖値の上昇が穏やかになったという研究があります。



僕も、野菜から先に食べて、炭水化物を最後にする食べ方を意識しています。ただ、平日の昼食と夕食は決まったメニューにしていて、その順番にできない食事もあります。順番を意識するのは、それ以外の食事のときです。
完璧を目指さず、できる食事で試す形でも十分です。難しいことはありません。たとえばこんな形です。
- 定食なら:小鉢の野菜や汁物 → 主菜(肉・魚) → 最後にご飯
- コンビニなら:サラダや海藻サラダ → サラダチキンやゆで卵 → 最後におにぎり
- 外食のラーメンなら:トッピングの野菜やメンマ → 麺の順
忙しい平日のランチでも、順番を変えるだけなので、すぐに実行できます。
2. 食物繊維を増やす(主食の工夫)
食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにする働きがあるとされています。
僕は、昼と夜は白米にもち麦を混ぜて食べています。



もともと白米が好きで、以前は玄米に切り替えようと無理に慣れる努力をしましたが、続きませんでした。



そこで、白米を食べながら食物繊維をとれるように、白米にもち麦を混ぜる形に変えました。これなら続けられています。
もち麦に含まれる「β-グルカン」という食物繊維は、食後血糖値の上昇を穏やかにすることを目的とした機能性表示食品にも使われている成分です。朝は納豆とキムチ、というように、特別な食材ではなく、毎日の食事に取り入れやすいものに寄せています。
ほかにも、海藻、きのこ、豆類、野菜など、食物繊維を含む食材はたくさんあります。「何か1品足す」くらいの気持ちで十分です。
3. 食後に軽く体を動かす
食後に軽い散歩をすると、筋肉が血液中のブドウ糖を使うため、食後血糖値の上昇を抑えやすいとする研究があります。食前に運動するより、食後にできるだけ早く動くほうが食後血糖値を抑えやすい傾向が報告されています。
理学療法士として強調したいのは、激しい運動である必要はないということです。食後に10〜15分程度、いつもより少し遅めのペースで歩くくらいで十分です。
デスクワークの方なら、昼食後に少し遠回りして職場に戻る、エレベーターではなく階段を使う、といった形でも取り入れられます。



僕は毎朝20〜30分の朝散歩を習慣にして、1日1万歩を365日続けました。一方で、食後に歩く習慣は、正直なところそこまで徹底できていません。意欲がある日に散歩へ出る程度です。毎日完璧にやろうとせず、できる日に取り入れる形でも、続けやすくなると思います。
なお、食後すぐの運動で気分が悪くなる人もいます。体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。
4. 睡眠を削らない
睡眠不足が続くと、インスリンの働きに影響することが、研究で報告されています。
食事や運動に気をつけていても、睡眠が削られていると、数値が思うように落ち着かないことがあります。「健康のために早起きして運動する」場合も、睡眠時間を削りすぎない範囲で行ってください。
・入浴は就寝の1時間半前まで
・食事は就寝の2〜3時間前までに終える
・スマホは、可能な限り就寝の30分前から触らない
・寝るときは、アイマスク、耳栓、鼻腔拡張テープ、口を閉じるためのテープを使う



毎日できているわけではありませんが、可能な範囲で意識しています。
5. 甘い飲み物を見直す
意外に大きいのが、飲み物です。清涼飲料水や甘いコーヒー飲料は、液体で糖分が一気に体に入るため、食後血糖値が上がりやすい要因になります。砂糖入りの飲み物をよく飲む習慣と、将来の血糖値の問題のリスクとの関連を示した研究もあります。



僕は、コーヒーは浅煎りのブラックで飲んでいます。ほかの飲み物は、ルイボスティー、緑茶、水です。夕食前には、リンゴ酢入りの炭酸水を飲んでいます。
「毎日の飲み物を無糖に変える」だけでも、続けやすい見直しです。
1日の過ごし方の例(デスクワークの30〜40代の場合)
5つの習慣を、1日の流れに当てはめるとこうなります。
朝:納豆やキムチなど発酵食品を含む朝食。飲み物は無糖のものに
昼:野菜や汁物から食べ始める。食後に10分ほど歩いて職場に戻る
夕方〜夜:主食は、もち麦などの食物繊維を含むご飯を選ぶ。食事の最後に炭水化物を食べる
就寝前:睡眠時間を確保する。夜遅い時間の食事や間食は控えめに
全部を一度に完璧にやる必要はありません。
「食べる順番だけ」から始めて慣れたら1つずつ足すのがおすすめです。



続けられることが、いちばん大切です。
よくある疑問
生活習慣と合わせて検討される「機能性表示食品」
ここまでの習慣は、どれも大切です。ただ、「忙しくて徹底するのが難しい」「数値が気になるので、他にも選択肢を知りたい」という方もいると思います。
そうした中で選択肢のひとつになるのが、機能性表示食品です。
機能性表示食品は、事業者が食品の安全性や機能性に関する科学的根拠などを国に届け出たうえで、機能を表示できる食品です。国が個別に審査して許可するもの(特定保健用食品など)とは異なる仕組みです。
血糖値が高めの方向けの機能性表示食品には、いくつかの種類があります。その中のひとつ、「アラプラス 糖ダウン」について、成分や届出表示、価格、注意点、向いている人・向いていない人を、次の記事で整理しました。
医師に相談したほうがいい目安
次のような場合は、生活習慣の見直しや食品を試す前に、まず医師に相談してください。
- すでに血糖値について医師の診断や指導を受けている、または治療中の方
- 血糖値を下げる薬を服用している方
- 健診で「受診をすすめる目安」を超えている方
- のどの渇きが強い、尿の回数が極端に増えた、急な体重の減少があるなど、気になる症状がある方
- 妊娠中・授乳中の方
まとめ:血糖値を整える順番は、「習慣→必要なら食品」
- 「血糖値が高め」は、生活習慣を見直すタイミングのサイン
- 注目したいのは、食後に血糖値が急に上がる「食後血糖値」
- 食べる順番、食物繊維、食後の軽い散歩、睡眠、飲み物の見直しは、今日から始められる
- まずは「食べる順番」から始めて、1つずつ足していく
- 習慣に加えて食品でのサポートを検討するなら、機能性表示食品という選択肢がある
- 数値が基準を大きく超えている場合や、治療中の場合は、必ず医師に相談する



食事も運動も、一気に変えようとすると続きません。まずは今日の次の食事で、野菜から食べることから始めてみませんか。




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